揺れ動くチェチェン。女性人権活動家殺害される。 [ニュース&コラム]
表面的には、チェチェンの紛争は静かな様相を呈しているように見えているが、実際のところは水面下での活動は今尚、止まないのが現状である。そして、今回の事件が発生した。詳細は、以下の文面にて。
ロシア南部チェチェン共和国の人権活動家、ナタリヤ・エステミロワさん(50)が15日、同共和国で拉致され、数時間後、隣接するイングーシ共和国で遺体で発見された。
エステミロワさんはロシアの人権団体「メモリアル」で活動していた。同団体は紛争の絶えない北カフカス地域で行われた数々の人権侵害を明らかにしてきた。
ロシアの検察当局によると、イングーシ共和国の高速道路脇で発見されたエステミロワさんの遺体には、頭部と胸部に銃撃された跡があったという。
ロシアでは、2006年のジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさんの殺害など、人権活動家や調査活動を行うジャーナリストの殺害が相次いでいる。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのTatyana Lokshina氏はAFPに対し、「この殺害はナタリヤの(人権)活動に関連していることは間違いない。恐ろしい悲劇だ。チェチェン情勢は制御不能だ」と語った。
ロシアの報道各社はクレムリン報道官の話として、ドミトリー・メドベージェフ大統領がこの殺人に怒りをあらわにし、トップレベルの調査を命令したと伝えている。
ノーベル賞を受賞した女性が設立した団体「ノーベル女性の会」は2007年、エステミロワさんに「アンナ・ポリトコフスカヤ賞」を与えている。早急の解明を望む。
コメント 0